【R2編入】電通大 口頭試問(数学)
2020年度電気通信大学編入の数学の口頭試問のうち,線形代数の問題は以下の通りであった.
【2】3×3の正方行列Aと列ベクトルp1,p2がある.(行列の値は忘れた)
(1)p1,p2が正方行列Aの固有ベクトルであるか確かめ,固有ベクトルなら固有値を求めよ.
(2)p1,p2に直交し,かつ第1成分が1である列ベクトルp3を求めよ.
(3)Ap3をp1,p2,p3の線形結合で表せ.
(4)基底p1,p2,p3に関する表現行列を求めよ.
これについて解説します.情弱で数式打ち込めないんで,適当に.
まず(1)について
(1)p1,p2が正方行列Aの固有ベクトルであるか確かめ,固有ベクトルなら固有値を求めよ.
普通に固有値,固有ベクトルを求め,固有ベクトルとp1,p2が一致すればいいわけですよね.固有値,固有ベクトルぐらいちょろっと出せるようにはしておきましょう.ただ,これすんごい手間かかりますよね.
解法2)Ax = λx (x ≠ 0)から,Ap求めてそれがpの定数倍であるか確かめる.
固有ベクトルとは,行列Aの線形変換を施しても方向が変わらず定数倍されるものをいいますね.そのためAp1,Ap2,を求めてそれらがp1,p2の定数倍になっていれば,p1,p2は固有ベクトルとなりますし,その定数倍の定数が固有値となります.もしAp1がゼロベクトルとなったとしても,それは固有値0なだけです.
こっちのほうが手間は少ないですし,面接官に(こいつわかってんじゃ~ん)と思わせることも可能かもしれません.なにより手間が少ないというのは間違いが少なくなるということで,時間が限られる口頭試問においてミスはできるだけ避けたいものですから.
(2)p1,p2に直交し,かつ第1成分が1である列ベクトルp3を求めよ.
解法1)p3 = (1,a,b)とおき,p1・p3 = 0,p2・p3 = 0からa,bを求める.
まあ求められると思う.めんどいけど.
解法2)p1×p2(外積)を求める.
空間上の2直線に直交するベクトルといえば外積でしょう.すぐ求まりますね.2直線に直交というのは,2直線を含む平面に直交ということで,感覚でわかると思いますがそんなものたかだか1つしか今回はでてきません.そのため勝手に第1成分の条件は気にしなくてよく,勝手に1になるはずです.
(3)Ap3をp1,p2,p3の線形結合で表せ.
Ap3をp1,p2,p3の線形結合で表せるとき,Ap3 = ap1+bp2+cp3と書けます(a,b,cは定数).ですのでこのa,b,cを求めればいいわけで,上式の拡大係数行列を解けば求まります.もしくは直感でa,b,cを求めてもいいです.たしか試験ではbが0になった記憶があるので,案外見ただけで解けたかもしれません.
(4)基底p1,p2,p3に関する表現行列を求めよ.
基底に関する表現行列について知らないと解けません.ヨッシーさんが基底に関する表現行列についてはまとめて下さってます.ていうか,ヨッシーさんのブログに編入のこと,勉強含めてめっちゃ詳しく書いてあるんでそっち参考にしてください.
これみれば基底に関する表現行列については理解できると思います.表現行列をBとすれば
(Ap1,Ap2,Ap3)= (p1,p2,p3)B
このときAp1 = λ1p1,Ap2 = λ2p2であり,Ap3 = ap1+bp2+cp3であることから
となります.つまり(4)は(3)が解けた時点で解けるということになります.
まとめ
そんな難しくないけど,基底であったり固有値,固有ベクトルの定義であったり,内積・外積の図形的な意味であったりを知らないと解けないでしょう.これらは電通大過去問H24~H30まで解けば自然とわかる内容なので,だれか相性のいい先生を見つけて教えてもらいましょう.
あとこの解答は正直あってるかわからないんで,完全に信用しないように.参考程度で考えていただければ,と思います.
微積に関してはだれかほかの人が書くでしょ.